サイナスインパクションとは

上顎の臼歯部には上顎洞という空洞が広がっていて自然孔という穴を通じて鼻腔とつながっている。もともとこの部分の骨は薄いことが多い上に抜歯して骨が吸収すると厚みが数ミリしか残っていないという場合もある。

そうした場所にインプラントを施そうとする場合、上顎洞の粘膜を押し上げてその間に骨を作るサイナスフロアエレベーションという処置が必要になる。
大きく分けてこの処置には側壁からアプローチするウィンドテクニック(サイナスリフト)とインプラントを植立するために開けた穴からアプローチするソケットリフトの2つに分けられる。

ウィンドテクニックは骨が3mm以下といった場合でも適用できるが、患者さんの外科的負担がやや多く治癒期間も長い。
ソケットリフトは術後の疼痛や腫れも少なく短時間で処置もできるメリットがあるが、ある程度の骨量が必要だ。何らかの方法で上顎洞まで穿通し、骨補填剤を挿入する方法が一般的だ。ただある程度の確率で上顎洞の膜(シュナイダー膜)が穿孔していると言われ、穿孔した穴から補填剤が上顎洞に散乱し化膿性の炎症を引き起こすことが問題とされている。

サイナスインパクションは特殊な方法によって底部の骨をシュナイダー膜と一緒に持ち上げ、骨補填剤を使用せずにサイナスリフトを行う方法。骨補填材を挿入しないので、感染の問題がほとんどない。日本ではこの術式を行っている人はまだ少ない。